MH-カガユキ

ちょっとしたメモ。

艦船模型入門(1)道具について

 9月16日の杜プラにて公開予定であった、艦船模型を始めるにあたって揃えておいた方がいい道具について、

 

艦船模型を作るのに必要な物について解説していきます。キットそのものと塗料以外で必要な物として

・ニッパー

・カッターナイフ

・ピンセット

・やすり

・接着剤

 の5点があります。塗装については、方法によって道具が変わるので別建てで解説します。

・ニッパー

 これだけは、100均で買わないほうがいい工具です。というのも、1/700スケールの部品はとても小さく、通常の工作で使うニッパーは刃が厚く、部品ごとつぶしてしまう可能性が高いからです。100均で買うのであれば、ニッパー型の爪切りのほうが通常のニッパーより模型向き、とも言えますが、代用品であり、物によっては切れないこともあるので、通販で模型と一緒に注文したほうがいいでしょう。

 ただ、模型用ニッパーで有名なゴッドハンド社のアルティメットニッパーは、値段も5000円以上するうえ、刃がとても薄く、容易に(自分は作業台から落とした)折れてしまうので、入門者向けではありません。自分が普段製作に使っているのは、ゴッドハンド社の片刃ニッパー(廃番、現在はブレードワンニッパーにモデルチェンジ、4104円(公式サイト9/13時点の価格))という、アルティメットニッパーより刃が厚いタイプのものと、ツノダ(ゴッドハンド社の関連会社)のFC-120という細い金属線も切れるタイプで、1106円(公式サイト9/13時点の価格)で購入したものです。この道具だけはその後の手間や失敗した時のリスクを考えると、少し高い物を使おうと思います。

・カッターナイフ

 100均で十分ですが、刃の交換頻度は短めにしたほうがいいです。安すぎる刃はすぐに駄目になりますが、特別高い刃を使ったところで、使い捨てですから使用頻度を考えて、使うといいです。自分はデザインナイフ派ですので、オルファのNo216というモデル(黄色)を使っています。替刃はタミヤのデザインナイフ用(OLFAのOEM品)を使っています。どちらも替刃の交換を惜しむと、切れ味が落ちて力を入れがちになり、思わぬ怪我の元です。自分も時々力を入れすぎて刃先が手に刺さってしまうことがあります。

・ピンセット

 100均のもので十分です。ただ、細かい部品をつまむ時、値段が高い先端部の合わせが良い物のほうがいいと言われています。合わせが悪い場合、ある程度ならやすりで削って平らにすることもできますが、そうせずに古くなり切れ味が落ちたニッパーを代用品として使うことも可能です。ゴッドハンド社ではわざわざ刃を入れていないニッパーを発売しているので、このような使い方もありえます。自分はタミヤ社製のピンセットを使用しています。ストレート(ITEM74004)とツル首(ITEM74003先が曲がっている)の2種類を併用しています。ストレートだけでも十分ですが、取り付ける場所によっては、角度がついているツル首のほうが使いやすいこともあります。

・やすり

 目の細かさに注意すれば、100均でも大丈夫です。ただ、大量に使う場合、ホームセンターで買ったほうが単価は安いです。400番より数字が大きい物(#600.#800)で表面の傷を消すことができますし、#1000より大きな物で塗装の下地作りに使うこともできます。水研ぎという、表面を濡らして削ることによって目詰まりをしにくく削ることができますので、耐水タイプを手に入れたほうがいいでしょう。自分はタミヤ・フィニッシングペーパーの各種番手セット(耐水やすり、ITEM87010,87024)を主に、ホームセンター購入の#600紙やすりを併用しています。棒やすりについては、艦船模型クラスではなくてもいいです。

・接着剤

 接着剤といっても、作るジャンルや接着する材質によって使うものは変わってきます。模型用で使えるものは、スチロール樹脂用接着剤(溶かして接着するもの)、瞬間接着剤(シアノアクリレート系)、エポキシ樹脂系接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤(ゴム系、クリヤー接着剤)等があります。接着剤については、種類が多く、専門的知識が必要なので、この3点に絞って解説します。  

 

・スチロール樹脂用接着剤 いわゆるプラモデル用接着剤のことです。有機溶剤を使い、プラスチックを溶かして接着します。接着力は最高ですが、溶剤臭が強く、室内の作業には向いていません。短時間であっても換気できる環境(台所、風呂場等)で作業する必要があります。流し込みタイプや速乾タイプのものがありますが、小さな部品を組むのにはこちらが向いていることもあります。自分は作業効率を改善すべく、タミヤセメント(流し込みタイプ)速乾(ITEM87182)を最近使い始めました。

  リモネン系接着剤と呼ばれる柑橘系成分で接着するものもあります。溶剤系の臭いがせず、柑橘系の匂いであるという特徴がありますが、ホームセンターや模型を販売している家電量販店等では扱っていないことも多いので、入手はやや難しめです。 自分が使っているのは、細かい部分の塗装が可能で、携帯性に優れている、Mr.セメント リモネンペン(PL01)と瓶入りのタミヤリモネンセメント(流し込みタイプ・ITEM87134)を併用しています。 

 

・瞬間接着剤 シアノアクリレートが水分と反応して接着するタイプのものです。金属部品やレジンキャスト(改造用部品として入っている場合があります)の接着に使います。小型艦艇であれば、接着面積が小さい部品が多いので瞬間接着剤だけで組み立てることは可能ですが、衝撃に弱いという弱点があります。また、繊維に付着すると高温になるので、取扱い注意です。自分は100均でも、ホームセンタでも購入できるヘンケル・ロックタイトの1g2本入りを主に使っています。入手できなかった場合、セメダイン3000シリーズを使いますが、使い切るまえに換装してしまうのが難点です。

 

・ゴム系接着剤 クリアーパーツの接着に使われる接着剤です。艦船模型で使う機会は少ないと思いますが、綺麗に塗布することで、曇りなく接着することができます。コニシ・GPクリヤーはポリエチレン等接着が難しい素材でも接着が可能な商品ですので、模型以外の用途でも使えるものです。

 接着剤については、100均で買えるのは瞬間接着剤と一部のゴム系接着剤ぐらいです。スチロール樹脂用接着剤はホームセンターではセメダイン・プラモデル用が売っていることが多いです。

 

 

塗装について

 

 塗装方法は筆塗り、缶スプレー、エアブラシ、ガンダムマーカー、文房具等が考えられます。それぞれについて解説していきます。

 

 ・筆塗り 塗料を筆で塗る、一番基礎的な塗装法です。必要なものは塗料瓶、筆、うすめ液(水性塗料は水で薄めることが可能ですが、弾かれやすくなります)、塗料皿です。ラッカー系塗料は筆塗にはあまり向いていません。エナメル塗料は乾燥が遅いですが、その分発色が良いです。水性アクリル塗料は水で薄めることが可能で、溶剤臭も比較的少ないです。水性アクリジョンはまだ使ったことがないですが、水性アクリル塗料よりも溶剤臭が少ないそうです。

 

 ・缶スプレー 塗装用の缶スプレーを吹き付けて塗装する方法です。艦艇模型の場合、船体色を塗るのに使うと便利です。細かい部分の塗装には向いていません。準備が一番楽で、缶スプレーと飛散防止対策(段ボール箱の中で吹き付ける)さえあれば塗装できますが、溶剤臭は結構します。マスクも必須です。

 

 ・エアブラシ エアブラシを使って塗装する方法です。エアブラシ・コンプレッサ、塗料が必要で、初期投資や整備の手間が一番かかりますが、入り組んだ所への塗装や、仕上がりの美しさから使う人は多いです。

 

 ・ガンダムマーカー 初心者向けで一番おすすめの塗装方法です。ガンダムマーカーを使って塗る方法です。ムラができないように塗れれば、匂いも少なく、手入れの手間もなく、収納しやすいといったメリットが大きいですが、軍艦色ではなくただのグレーなので、色にこだわりたい方むけではありません。

 ・文房具 裏技的ですが、ポスカを使って塗装したり、白色を修正ペン、黒色を油性マーカーを使って塗る方法もあります。ガンダムマーカー塗装の亜種とも言えますが、プラスチックに使うことを前提としていないので、塗装がはがれ易くなります。

 塗装についての補足ですが、迷彩塗装は大変面倒なので、戦車模型や航空機模型で経験のない場合、予め別の物(空き箱でもいいです)で練習してから塗装してみるといいかもしれません。迷彩塗装については、近年の戦車模型ブームで解説本などが多いので、それらも参考になるかもしれません。自分は面倒なので、基本的に迷彩塗装で仕上げていません。

 艦船模型の塗装で使う色の種類は、

・グレー(艦体)GM12

・黒色(煙突)GM10

・白色(砲身カバー等)GM11

・タン/レッドブラウン/リノリウム(甲板色)GM407

・メタリックシルバー/ガンメタル(銃身)GM05

が考えられます。色の後のGMxxというのは、ガンダムマーカーで似た色になります。ガンメタルは暗めの色なので、似た色は発売されていないようです。